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免疫:TGF-βが誘導するFoxp3はRORγtの機能に拮抗することでTH17細胞の分化を抑制する

Nature 453, 7192 doi: 10.1038/nature06878

IL-17を産生するヘルパーT細胞(TH17細胞)は、マウスで自己免疫を促進し、ヒトの炎症性疾患の原因になるとされている。粘膜表面では、TH17細胞は感染から宿主を防御すると考えられており、一方、調節性T(Treg)細胞は、常在微生物叢が引き金となる免疫応答や炎症を制御する。この2つのタイプの細胞分化には、トランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)が必要であるが、それぞれ異なる転写因子に依存しており、TH17細胞はRORγt(Rorc(γt)にコードされる)に、Treg細胞はFoxp3に依存する。相反する活性をもつT細胞の分化をTGF-βがどのように調節するのかを理解するのは難しい。本論文では、炎症促進性サイトカインと共に、TGF-βが濃度依存的にTH17細胞の分化を調整することを示す。低濃度の場合、TGF-βはインターロイキン(IL)-6とIL-21との相乗効果によって、IL-23受容体(Il23r)の発現を促進し、TH17細胞の分化を促す。TGF-βが高濃度の場合は、IL23rの発現が抑制され、Foxp3+ Treg細胞の分化が促される。RORγtとFoxp3は、マウスのTGF-βに暴露されたナイーブCD4+ T細胞、および小腸固有層のT細胞の部分集団に共発現している。in vitroでは、TGF-βが誘導するFoxp3はRORγt機能を抑制するが、その機序の少なくとも一部は両者の相互作用を介している。そのため、この2つの転写因子を共発現する固有層T細胞は、RORγtのみを発現する細胞より、IL-17(別名IL-17a)の産生が少ない。IL-6、IL-21、およびIL-23は、Foxp3を介したRORγtの抑制を解除し、その結果TH17細胞の分化を促進する。したがって、抗原刺激を受けた細胞がTH17細胞あるいはTreg細胞のどちらに分化するかの決定は、サイトカインが調節するRORγtとFoxp3のバランスに依存する。

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