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細胞:脱アデニル化による負のフィードバック機構が減数分裂の中期停止を制御する

Nature 452, 7190 doi: 10.1038/nature06809

脊椎動物の卵母細胞では、細胞質に蓄えられた母系メッセンジャーRNAが順次翻訳されて活性化することにより、減数分裂が進行する。この活性化は主として、mRNAの3′非翻訳領域中にある細胞質ポリアデニル化配列(CPE)が関与して細胞質で起こる、ポリ(A)尾部の伸長によって誘導される。アフリカツメガエルの卵母細胞では、卵成熟促進因子の活性化にはCPEが制御するmRNAが発生段階特異的に順次翻訳される必要があり、その後、この卵成熟促進因子の働きで、減数分裂の連続した2つの中期(MIとMII)へと進行する。今回我々は、減数分裂のある段階から次の段階への移行の際に細胞質でポリアデニル化される未知のmRNAを同定するために、ゲノム規模の機能的スクリーニングを行った。CPEの他に、(A+U)-rich element(ARE)配列(脱アデニル化によって制御されるmRNAの特徴)を含む転写産物が、かなりの割合で見つかった。ARE結合タンパク質C3H-4をコードするmRNAもその1つで、C3H-4はMIに蓄積し、これを除去すると中期停止が誘導されることがわかった。今回の結果は、C3H-4がCCR4脱アデニル化酵素複合体をARE含有mRNAへと誘導し、それによってポリ(A)尾部が短くなることを示している。また、後期促進複合体阻害因子Emi1とEmi2をコードするmRNAの活性化のタイミングが、減数分裂周期の段階に応じて、CREとAREの相反する作用によって精密に決められていることも明らかになった。これらを総合すると、我々の結果は、細胞質ポリアデニル化の「初期」の波が、C3H-4合成を活性化することによって負のフィードバックループを始動させ、さらにこのC3H-4が、CPEとAREを含むmRNAへと脱アデニル化複合体を誘導することを示している。中期から分裂間期への移行と減数分裂の進行には、この負のフィードバックループが必要となる。

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