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医学:アフリカのサハラ以南地域における麻疹の動態

Nature 451, 7179 doi: 10.1038/nature06509

世界の複数地域では麻疹はワクチン接種によって既に根絶されているが、サヘル地域の出生率の高い国の一部では、いまだに麻疹が主な死因の1つとなっている。先進工業国における麻疹の動向を基準とすれば、高出生率地域では毎年定期的な流行が起こると考えられる。しかし本論文では、ニジェール、特に首都ニアメーでは、麻疹の流行が非常に不規則に起こることを示す。モデル研究により、この変動が感染の強い季節性から生じ、それが非常に振幅の大きい流行を生んで、変動は決定論的動力学におけるカオス領域に含まれることを実証する。実際、この強い季節性によって流行は確率論的に徐々に終結することが多く、その合間に不規則に大規模な流行がみられる。メタ個体群モデルでは、感染の強い季節性という強制力が働く条件下では、ワクチン接種率が向上しているが地域の感染消失閾値にまでは達しない状態が変動性の高い大規模な流行につながる仕組みが明らかになる。このような一定でない動態は、感染しやすい個体に対する予防と、大流行の影響緩和の両方の管理対策が重要であることをはっきりと示している。

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