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遺伝:ブドウのゲノム塩基配列は主要な被子植物門の祖先で六倍体化が起こったことを示唆している

Nature 449, 7161 doi: 10.1038/nature06148

最初に得られたいくつかの植物ゲノムの分析によって、従来は遺伝学的知見に基づいて真の二倍体と考えられていた種で、予想外のゲノム重複の証拠が見つかった。これらの倍数体化現象は、植物の進化、特に種の放散と適応や機能力の調節に重要な影響をもたらした可能性がある。本論文では、ヨーロッパブドウ(Vitis vinifera)のホモ接合性の高い遺伝子型のものから得た、高精度ゲノム概要塩基配列について報告する。このブドウゲノム概要配列は、被子植物では4番目、木本植物では2番目、果実作物(果実食・飲料用に栽培されているもの)では初めてのものである。このブドウを選んだのは、新石器時代に始まる人類の文化遺産上で重要な位置を占めるからである。ブドウの芳香にかかわる遺伝子ファミリーには、何回かの大きな拡大が観察される。このブドウゲノムでは最近はゲノム重複が起こっていないので、被子植物の遺伝子構成に関する祖先の形質や特徴を見いだすことができる。今回の解析で、ブドウの一倍体に3種類の祖先ゲノムが寄与していることが示された。この祖先構成は多くの双子葉植物に共通だが、単子葉植物であるイネのゲノムにはみられない。また、以前に報告されている、被子植物の進化過程で起こった全ゲノム重複の年代順序についても明らかにする。

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