Letter

活性酸素種はインスリン抵抗性のさまざまな形態においてその原因となっている

Nature 440, 7086 doi: 10.1038/nature04634

インスリン抵抗性は2型糖尿病の主要な特徴であり、広範なほかの臨床的および実験的状況に特徴的にみられる。なぜそのような多くの状況でインスリン抵抗性が生じるのかについては、ほとんど知られていない。インスリン抵抗性の引き金となるさまざまな原因は、共通の機序を介して作用するのだろうか。あるいは、これまで示唆されてきたように、それぞれ異なる細胞内経路によっているのだろうか。本論文では、インスリン抵抗性の2つの細胞モデルのゲノム解析について報告する。モデルの1つはサイトカインである腫瘍壊死因子-α処理によって、もう1つは糖質コルチコイドであるデキサメタゾン処理によって誘導されるものである。遺伝子発現解析により両モデルとも活性酸素種(ROS)レベルが上昇していることが示唆され、我々は細胞の酸化還元状態の測定によってこれを確認した。ROSは以前からインスリン抵抗性に関与していることが示唆されていたが、原因として働いていることを示す証拠はわずかであった。我々は、ROSレベルを変化させるようにデザインされた6つの処理法を用い、細胞培養でこの仮説を検証した。処理に使われたのは2つの小分子と4種の導入遺伝子で、程度はさまざまだがそれらすべてがインスリン抵抗性を改善させた。これらの処理法の1つを肥満のインスリン抵抗性マウスで試験したところ、インスリン抵抗性およびグルコース恒常性を改善させることが示された。これらの知見から、多くの状況においてROSレベルの上昇がインスリン抵抗性の重要な誘因となっていると考えられる。

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