Letter

菌群集のゲノムから解明されたアナモックス菌の進化と代謝

Nature 440, 7085 doi: 10.1038/nature04647

嫌気的アンモニア酸化(アナモックス)反応は、海洋学と汚水処理の分野で関心の的になっている。これはまた、窒素サイクルに残された主要な生化学的未解明部分でもある。アナモックス反応がもつ性質の中で、遊離の異化中間体としてヒドラジンが生じること、ラダーラン(ladderane)脂質の生合成、細胞質分化へのかかわりは、生物ではほかに例がない。今回我々は、ゲノムデータを環境から直接再構成するという環境ゲノミクスの手法を用いて、バイオリアクター中の複雑な微生物群集から、培養を行わずにアナモックス菌Kuenenia stuttgartiensisのゲノムを組み立てた。このゲノムデータによりプランクトミセス類の進化の歴史がさらに明らかになるとともに、この菌の特殊な性質の基となる遺伝的設計図も解明できる。今回最も重要なのは、ラダーラン生合成と生物学的ヒドラジン代謝にかかわる遺伝子候補が見つかったこと、また、予想外の代謝多能性が明らかになったことである。

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