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炭素-炭素結合の吸着誘起切断

Nature 440, 7081 doi: 10.1038/nature04576

炭素-炭素共有結合は切断しにくい。その強度はダイヤモンドの硬度や高分子繊維の引張強度から明らかである。単一分子レベルでは、1つの結合の伸長および機械的切断には数ナノニュートンの力が必要になる。そのような力は、伸長流動、超音波照射、メニスカスを後退させる方法を用いて、またナノプローブによる単一分子の直接伸張によって生み出されてきた。今回我々は、長い側鎖をもつブラシ状の巨大分子を基板に吸着させるだけで、コンフォメーション変形ばかりでなく、巨大分子骨格中の共有結合の自発的切断を誘発できることを示す。この挙動は、側鎖が広がることによって側鎖と基板との間の引力相互作用が最大となり、高分子骨格に沿って張力が発生するという事実によるものと考えられる。側鎖密度と基板との相互作用が十分であれば、発生した張力は炭素-炭素共有結合を切断できるほど強いものとなる。高分子ブラシやデンドリマーなどの高度に枝分かれした巨大分子すべてにおいて同様な骨格の吸着誘起切断が起こるものと予想される。表面上で使われるこの種の巨大分子を設計する際には、不要な分解を避ける場合も、巨大分子中の所定位置で切断を行う場合にも、この挙動を考慮する必要がある。

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