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土壌炭素分解の温度感受性と気候変動へのフィードバック

Nature 440, 7081 doi: 10.1038/nature04514

泥炭地帯、湿地帯、永久凍土層などの世界の土壌に貯蔵されている炭素の量は、大気中の炭素量よりもかなり多い。しかし、全球の土壌中炭素貯蔵量に気候変動が及ぼす影響に関しては、議論が続いている。土壌中に貯蔵された炭素の分解が温暖化によって加速されて大気中に放出されれば、気候変動への正のフィードバックが生ずると考えられる。逆に、植物から土壌への炭素流入が分解量の増大を上回れば、負のフィードバックが生じるだろう。多くの研究が行われているものの、土壌炭素分解の温度感受性に関してはいまだ統一見解が得られていない。フィードバックの影響の解明を特に困難にしているのは、多様な土壌有機化合物について分解の温度感受性を決定する反応速度論的性質に大きな広がりがあるためである。さらに、環境的制約によって土壌中の物質が本来もつ分解の温度感受性がわかりにくくなっており、これが観測された「見かけ上の」温度感受性を低くする原因になっている。また、そうした制約自体も気候に左右されるかもしれない。

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