Letter

生化学:C型肝炎ウイルスレプリカーゼの必須成分である亜鉛結合ドメインの構造

Nature 435, 7040 doi: 10.1038/nature03580

C型肝炎ウイルス(HCV)は世界人口の約3%に感染しているヒト病原体である。慢性感染は肝硬変と肝臓癌を引き起こすことがある。HCVのRNA複製装置はマルチサブユニットの膜会合複合体である。非構造タンパク質NS5AはHCVレプリカーゼの活性成分であり、さらに複製の中心となる制御因子として、そして自然免疫や異常調節を受けた細胞増殖などのさまざまな細胞過程の修飾因子としても働く。NS5Aはそのアミノ末端に1つの両親媒性α-へリックスを持つ大きなリンタンパク質(56-58kDa)で、このヘリックスが膜への会合を促進する。このヘリックス領域より後ろでは、NS5Aは3つのドメインに分かれる。N末端ドメイン(ドメイン特)は1タンパク分子当たり1亜鉛原子を持つ。NS5Aの膜アンカーか亜鉛結合が壊されている変異体ではRNA複製はできなくなる。しかし、NS5Aの複製における役割は、この多機能タンパク質の構造についての情報が不足していたためこれまで解明されていなかった。今回我々はNS5Aドメイン特の立体構造を分解能2.5Åで報告する。この構造には新規フォールド、新規の亜鉛結合モチーフ、およびジスルフィド結合がそれぞれ1つずつ含まれる。我々は分子表面解析を用いて、タンパク質-相互作用部位、RNA-相互作用部位、膜-相互作用部位を示唆する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度