Article

考古:インドネシアのフローレス島で見つかった更新世後期の体の小さい新種の人類化石

Nature 431, 7012 doi: 10.1038/nature02999

現在の一般的な考え方では、更新世のアジアにはヒト族(Hominini)の属としてはヒト属(Homo)のみが生息していて、その代表種はホモ・エレクトゥスとホモ・サピエンスの2種だったとされる。2種とも、鮮新世のアフリカにいたアウストラロピテクスに比べて脳容量が大きく、身長も高く、歯が小さいという特徴が見られる。今回我々は、インドネシアのフローレス島の更新世後期層で成人1体のヒト族化石が見つかり、その身長がほぼ1 m、頭蓋内容量がだいたい380 cm3で、知られるうちで最も小柄なアウストラロピテクス類と同じ大きさであることを報告する。原始的な特徴と派生的な特徴の組み合わせから、このヒト族を新種のHomo floresiensisとした。フローレス島にこの化石人類が存在していたことの説明づけとしては、祖先種にあたるホモ・エレクトゥス集団が島に長期間にわたって隔離され、その結果、島固有の矮小形化が起こったとするのが最もありそうな考え方である。重要なのは、従来考えられていたよりもヒト属が形態的にずっと多様であり柔軟に適応応答できたことを、H. floresiensisが示している点である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度