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気候:南極氷床コアから示された8回の氷河期サイクル

Nature 429, 6992 doi: 10.1038/nature02599

南極のボストーク氷床コアは、過去42万年にわたる気候と気候フィードバックの性質についての説得力のある証拠を提供した。海洋の記録は、その時期以前では気候変動の振幅が小さかったことを示すが、そのような記録は分解能が不十分なことが多い。さらに、海洋の記録からは、大気中の温室効果ガスの存在量を推測することは不可能である。ここで我々は、過去74万年間の気候の記録を示す南極ドームC基地で採取された深層氷床コアについて報告する。最新4回の氷河期サイクルに対しては、その記録はボストークからの記録とよく一致する。その前の74万年〜43万年前の時期は、南極の間氷期に暖候がさほど顕著ではないという特徴がある一方、それぞれのサイクルで暖候期モードの方がより長い期間を占めていた。およそ43万年前の氷河期から間氷期への遷移(Termination V)は、気温と温室効果ガスの変化の規模の点で現在の間氷期への遷移に似ているが、変化のパターンに重要な相違点が存在する。Termination Vに続く間氷期は2万8千年という例外的な長さで、例えば、現在の間氷期がこれまでに1万2千年を記録していることに比べてもはるかに長い。この前の暖候期と現在の暖候期との間の類似点から考えると、この結果は人類の干渉がなかった場合には現在と似た気候が今後かなり長く続くことを示唆している可能性がある。

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