Letter

遺伝:結核菌M. tuberculosisと熱帯熱マラリア原虫P. falciparumの単一ゲノム配列を使って選択を検出

Nature 428, 6986 doi: 10.1038/nature02458

タンパク質にかかる選択圧は、通常は塩基配列を比較することによって判定する。本論文では、単一のゲノム配列に基づいて選択を検出する方法を提案する。我々は結核菌と熱帯熱マラリア原虫の全ゲノムで、各遺伝子にかかる選択の相対的強度を調べた。この解析によって、ほとんどの抗原にアミノ酸置換の強い選択圧がかかっていることが確認された。なかでも、結核菌の表面タンパク質と推定されるPE/PPEファミリーや熱帯熱マラリア原虫の細胞接着性表面タンパク質のEMP1ファミリーで特に顕著である。また各病原体で、強い選択圧がかかっている特徴のわかっていないタンパク質が多数見つかった。生物の生活環の異なった段階に働く自然選択をゲノム全体で解析したところ、熱帯熱マラリア原虫の輪状体で発現している遺伝子は、生活環の他の段階で発現している遺伝子よりも強い正の選択圧を受けていた。選択圧を推定する我々の方法は、必要なデータが配列の比較解析よりもはるかに少なくてすみ、ゲノム全体にわたって選択を調べるので、ゲノム配列が解読されているさまざまなゲノムに容易に応用できる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度