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細胞:ソーティリンはproNGFが引き起こすニューロンの細胞死に不可欠である

Nature 427, 6977 doi: 10.1038/nature02319

ソーティリン(約95 kDa)は、最近発見されたVps10pドメイン受容体ファミリーの一員で、さまざまな組織で発現されているが、特に脳、脊髄、筋肉で顕著である。ソーティリンは神経ペプチドであるニューロテンシンの受容体として働くが、神経系内のニューロテンシンの合成もせずニューロテンシンに応答もしない領域にひときわ多いことから、さらに別の役割もあると考えられている。ソーティリンは胚発生の際には、神経成長因子(NGF)やその前駆体proNGFがすでに解明されている機能を発揮する領域で発現される。これらのニューロトロフィンは神経組織によって放出され、細胞の生存や死にかかわるシグナル伝達を介して神経の発生を制御する。NGFは2種類の異なった受容体TrkAとp75NTRへの結合を介して、細胞の生存と細胞死を制御する。これに対してproNGFは、TrkA は使わずにp75NTRだけを介して選択的にアポトーシスを誘導する。しかし、p75NTRを発現する細胞がすべてproNGFに反応するわけではないので、細胞死の誘導にはこれ以外の膜タンパク質も必要だと考えられる。本論文では、proNGFがp75NTRとソーティリンに同時に結合して、シグナル伝達複合体を形成することを報告する。つまりソーティリンは補助受容体として働き、proNGFが発するp75NTRを介したアポトーシス誘導シグナルを制御する分子スイッチの役割を果たす。

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