Letter

気候:更新世前期における東太平洋赤道域の気候に対する高緯度域の影響

Nature 427, 6976 doi: 10.1038/nature02338

熱帯の海表面温度と海洋生産量の数多くの記録が、過去50万年の間に2.3万年周期(軌道歳差)と10万年周期のサイクルがあることを示している。一方、高緯度域の海表面温度の記録は、約4.1万年周期の地軸の傾きによるサイクルをより顕著に示す。しかしながら、90万年前の更新世中期における気候遷移以前の熱帯の気候変動については、ほとんど知られていない。この遷移は、4.1万年周期が支配的であった気候(その時には氷期間氷期サイクルと高緯度海表面温度の変動は地軸の傾きの変化によって定められていた)から、より最近の10万年周期の氷期間氷期サイクルへの変化の痕跡である。今回我々は、東太平洋赤道域の海底堆積物中のアルケノンを分析し、過去180万年間にわたる海表面温度と海洋生産量を推測した。両方の記録からは、180万年前から120万年前の間は、軌道歳差による寄与は比較的小さく、地軸の傾きの4.1万年周期が支配的であり、更新世前期の海表面温度が東太平洋赤道域の局所的な年間日射量とは逆の方向に変動したことが見出された。更新世前期における我々の研究サイトの気候変動は、地軸の傾きによる強制によって駆動された高緯度域の過程によって決定されてきたと考えられる。 ブラウン大学(米)

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