Letter

進化:感染症の出現における進化の役割

Nature 426, 6967 doi: 10.1038/nature02104

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)やサル痘、重症急性呼吸器症候群(SARS)など新しい病原体がいつ、どこで、どのようにして元々の保菌生物とヒト集団を隔てる障壁を乗り越えて、新たな感染症を蔓延させる火種となるのかはまだよくわかっていない。元々の保菌動物から新しい病原体が出現するのは、生態の変化によって病原体がヒト集団に入り込み、そしてヒトからヒトへ感染する機会が増えた場合だと考えられている。ヒトからヒトへ効率よく感染するには、その病原体の基本増殖率R0が1を超えねばならない。この場合、R0は全員が感染可能な集団内における1名の感染者からの平均二次感染者数である。しかし、たとえ流行を起こすに不十分でもR0が増大すれば、その後の感染者数は増大する。今回我々は、この理論のように病原体が進化してR0>1となると、疾患が出現する可能性が大きく高まりうることを報告する。

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