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医学:アンギオテンシン変換酵素2はSARSコロナウイルスに対する機能的受容体である

Nature 426, 6965 doi: 10.1038/nature02145

重症急性呼吸器症候群(SARS)の原因となるコロナウイルスなどのコロナウイルス類が持つスパイク(S)タンパク質は、細胞の受容体に結合して標的細胞への感染を仲介する。今回、SARSコロナウイルス(SARS-CoV)感染許容性をもつVero E6細胞からSARS-CoVのSタンパク質のS1ドメインと効率よく結合するメタロペプチダーゼを単離し、アンギオテンシン変換酵素2(ACE2)であると同定した。可溶型のACE2はS1ドメインとVero E6細胞との結合を阻害するが、近縁の酵素ACE1は阻害しないことがわかった。ACE2をトランスフェクトした293T細胞は、Sタンパク質を発現する細胞と多核合胞体を形成したが、ヒト免疫不全ウイルス-1受容体をトランスフェクトした293T細胞では形成が起こらなかった。また、ACE2トランスフェクト293T細胞ではSARS-CoVが効率よく複製したが、ベクターのみを導入した293T細胞では複製は起こらなかった。また抗ACE2抗体はVero E6細胞でのウイルス複製を阻害したが、抗ACE1抗体は阻害しなかった。これらのデータを総合すると、ACE2がSARS-CoVの受容体として機能することがわかる。

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