Letter

医学:ヒト以外の霊長類におけるエボラ出血熱に対するワクチン効果の促進

Nature 424, 6949 doi: 10.1038/nature01876

致命率のきわめて高いエボラウイルスの発生を封じ込めることは、公衆衛生上の重大な課題となっている。実験的なワクチンにより、ヒト以外の霊長類をエボラ出血熱から守ることに成功しているが、免疫の成立に6か月以上を必要とするので、そのワクチンは急性の流行を抑えるためには実際的ではない。本論文では、ヒト以外の霊長類におけるエボラウイルスに対するワクチン効果の促進法の開発について報告する。エボラウイルス糖タンパク質(GP)をコードするアデノウイルス(ADV)ベクターを用いた免疫に対する抗体応答は、DNAによる初回免疫とADVによる追加免疫を行った場合に比べより速く誘導されたが、その抗体応答の程度は弱かった。この早期の免疫反応は弱いものであったが、エボラ出血熱を防ぐことができるか否かを確かめるために、カニクイザルをADV-GPおよび核タンパク質(NP)ベクターを用いてワクチン接種した後、エボラウイルスで攻撃誘発した。防御はきわめて有効であり、またエボラウイルス特異的CD8+T細胞応答および抗体応答の惹起と相関していた。サルをADV-GP/NPで1回免疫し、28日後にウイルスを接種した場合でさえ、低投与量もしくは高投与量のウイルスのどちらであるかにかかわらず、サルはウイルス接種に対して抵抗性を示していた。このワクチン効果の促進は、エボラウイルス流行の拡散を抑えるのに役立つ可能性のある手段となり、また他のウイルスに応用することができる。

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