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遺伝:病原性レプトスピラの全ゲノム配列解読により明らかになった固有の生理的・病原的な特徴

Nature 422, 6934 doi: 10.1038/nature01597

レプトスピラ症は世界的に広がり、対策を要する疾患の1つである。感染するとインフルエンザ様の症状が現れ、重篤な腎障害や肝障害を伴い、出血や黄疸が起こる。さらに重症の場合には大量の肺出血が起こる可能性があり、命にかかわる突然の喀血も起こりうる。本論文では、病原性レプトスピラ(Leptospira interrogans)の血清型Icterohaemorrhagiaeの代表的な病原性血清型株(Lai)の全ゲノム配列を報告する。このゲノムは、433万塩基の大型染色体1本と35万9000塩基の小型染色体1本からなり、推定される遺伝子総数は4,768個である。生理的特徴を決定する遺伝的要素をみると、条件的寄生性であるL. interrogansは、偏性寄生性である他の病原性スピロヘータTreponema pallidumおよびBorrelia burgdorferiの2種と大きく異なっているが、固有の形態的特徴を支配する遺伝子類には類似性が見られる。L.interrogansの化学走性/運動性やリポ多糖合成に関係する遺伝子の総合解析は、毒性や病原性を徹底的に研究するための土台となる。接着や侵入、そしてレプトスピラ症の特徴である血液の変化に関係するとみられる一連の遺伝子の発見は、環境に潜む生物が重大なヒト病原体へといかに進化する可能性があるかを知る手がかりとなった。

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