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医学:最初に感染したウイルスの複製を阻止する広範なCD8+T細胞反応にもかかわらず起こるHIV-1の重複感染

Nature 420, 6914 doi: 10.1038/nature01200

急性HIV感染の早期治療の後にその治療を中断することにより、免疫による感染の制御を高める見込みがあることが明らかにされている。しかしながら、その後に免疫によってHIVウィルスを制御できない状態が起こると、防御免疫との相関を調べることができる。本論文で我々は、あるHIV-1患者において、ある時点で、ウイルスタンパク質Gag、RT、Integrase、Env、Nef、Vpr、VifおよびRev由来の25の異なるCD8+T細胞エピトープが標的とされ、長期にわたる免疫的封じ込めが成立した後において、プラズマウイルス血症が突然発症したことを報告する。血漿中および細胞内のウイルスの塩基配列を解読したところ、別のクレイドB型ウイルスによる重複感染が免疫による制御の喪失と同時に起こっていた。血中ウイルスの突然の増加は、CD8+T細胞の反応の半数が減弱したのに伴って起こった。このCD8+T細胞反応の減弱は、最初に感染したウイルスと比較した場合の配列変化並びにそれによって生じる認識不能と同時に起こった。我々のデータは、強力で広範に誘導されたウイルス特異的CD8+T細胞応答が起こっていても、HIV-1の重複感染が生じ得ることを示唆している。複数のCD8エピトープに対する認識が維持されているにもかかわらず、近縁のHIV-1株に対する交差性の防御免疫が欠失するという事態は、公衆衛生とワクチンの開発において重要な意味を持つものである。

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