Letter 材料:自動車排ガス制御のためのPd‐ペロブスカイト触媒の自己再生 2002年7月11日 Nature 418, 6894 doi: 10.1038/nature00893 触媒コンバーターは、自動車から放出される窒素酸化物、一酸化炭素、未燃焼炭化水素の総量を減らすのに広く使われている。触媒は、細かい粒子にした貴金属を固体担体上に分散させたものだ。自動車の使用中、コンバーターは熱にさらされるので金属粒子は集塊化して成長し、総表面積は減少する。その結果、触媒活性は劣化する。近年、エンジン始動時に触媒が直ちに活性化されるように、触媒コンバーターがエンジンの近くに装着される傾向にあり、触媒の耐熱性への要求が高まっているため、触媒が劣化する問題はいっそう深刻化している。そこで従来の触媒系では、走行距離50,000マイル(80,000 km)を超えても触媒活性を保証するために余分な量の貴金属を使用している。今回、X線回折と吸収により、1970年代初頭より触媒コンバーターへの応用が研究されてきたペロブスカイト系触媒の1つであるLaFe0.57Co0.38Pd0.05O3が、最先端のガソリンエンジンで起こる排ガス組成の変動に対して構造的に応答することにより金属の高い分散性を保つことを示す。触媒は排ガス中で酸化性と還元性の雰囲気に交互にさらされるのが普通だが、その際、パラジウム(Pd)がペロブスカイト格子に可逆的に入ったり出たりすることを我々は見いだした。この運動によって金属Pd粒子の成長が抑制されるとみられ、長期使用と経年変化において触媒活性が高く保たれることが説明される。 Full Text PDF 目次へ戻る