注目の論文
膀胱がんに対する感受性
Nature Genetics
2008年9月15日
Susceptibility to bladder cancer
膀胱がんの高い発症リスクと関連する遺伝的多型が同定された。この成果を報告する論文は、Nature Genetics(電子版)に掲載される。
がんに関する最近の遺伝子関連解析による興味深い話題の1つは、8番染色体上の小さな領域に位置する一連の多型が、前立腺がん、結腸がん、乳がんなど、さまざまながんの素因になっていることである。
今回、deCODE Genetics社(アイスランド・レイキャビク)のK Stefanssonらは、膀胱がんについて全ゲノム関連解析を行い、同じ8番染色体上の領域で、膀胱がんのリスクを高めるが、他のがんのリスクを高めない多型を見いだした。過去に報告されていた多型は、MYC遺伝子の近傍に位置している。MYC遺伝子にコードされるタンパク質の調節機能の解除は、悪性腫瘍と関連していることが知られている。今回の膀胱がん感受性多型は、MYC遺伝子により近い位置にあり、こうしたリスク多型がMYC遺伝子の発現を変化させて、がんの発症リスクに影響している可能性があるとする主張を補強している。
ただし、Stefanssonらの研究チームは、膀胱がん患者の血液や脂肪組織で、MYC遺伝子の発現の変化を示す機能解析による証拠を得ていない。がん感受性に関して、この染色体領域が果たす役割を説明するには、さらなる研究が必要となっている。
doi: 10.1038/ng.229
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