注目の論文
作物の根に巣くう害虫のゲノム解読
Nature Biotechnology
2008年7月28日
Crop-infesting worm sequenced
植物に寄生する線虫の遺伝子構造が解明された。植物に規制する多細胞動物としては初めてのゲノム解読であり、性のない動物の生活環についての最初の手がかりとなる。このネコブ線虫の雄は、生殖にまったく遺伝的寄与をしない。
寄生性の線虫による作物への被害は世界で毎年約1000億ユーロ(1570億ドル)に上るが、線虫対策のために使われる化学物質はヒトや環境に対する毒性が強いことで知られている。
欧州と米国の27の研究機関に属する54人の科学者が参加するコンソーシアム(研究共同体)が、サツマイモネコブセンチュウのゲノムを解読、解析した。この線虫はトマトやワタ、コーヒーなど、多くの重要な作物の根に寄生する特に被害の大きい微小な線虫である。
科学者チームは、この線虫の遠い親戚にあたり、発生生物学者たちによって詳しく研究されている非寄生性の線虫C. elegansについての知見を参考にして、植物の根をのっとって利用するというサツマイモネコブセンチュウ特有の能力について明らかにした。C. elegansの生存に必要であることが知られていて、しかもサツマイモネコブセンチュウにも存在する遺伝子は、より環境にやさしい線虫対策の優れた標的になる可能性がある。
doi: 10.1038/nbt.1482
注目の論文
-
9月12日
環境:アマゾン先住民の領域が人間の健康に恩恵をもたらすCommunications Earth & Environment
-
9月12日
動物学:タコはあらゆる作業に最適な腕を前面に出すScientific Reports
-
9月11日
古生物学:トカゲのような生物の起源をさらに遡るNature
-
9月11日
環境:2023年のカナダ山火事の長期的な影響を評価するNature
-
9月10日
健康:大麻の使用は女性の生殖能力に影響を与えるかもしれないNature Communications
-
9月9日
気候変動:気温の上昇が添加糖の消費量の増加と関連しているNature Climate Change