注目の論文
エピジェネティックな変化により生じる白血病治療に対する抵抗性
Nature Genetics
2014年3月3日
Epigenetic resistance to leukemia therapy
T細胞性急性リンパ性白血病(T-ALL)の治療の際に観察される抵抗性についてのエピジェネティックな機序が、今週報告される。今回の成果は、この疾患における薬剤抵抗性が、エピジェネティックな調節因子を標的とする薬剤を用いることで克服される可能性に脚光を当てるものである。
γセクレターゼ阻害剤は、T-ALLの治療に用いると一過性の効果を示す薬剤である。Michelle Kelliher、Bradley Bernsteinたちは、γセクレターゼ阻害剤に対して耐性を示すヒトT-ALL細胞を単離し、抵抗性の白血球細胞が生き残るために必須となる遺伝子群の同定を目的としたスクリーニングを行った。その結果、細胞が生き残る過程において、クロマチン調節因子が重要な役割を果たしていることを突き止めた。そして著者たちは、クロマチン調節因子の1つであるBRD4の低分子阻害物質JQ1が、耐性細胞の細胞死を誘導すること、さらにγセクレターゼ阻害剤とJQ1との併用療法により、初代ヒトT-ALLを移植したマウスの細胞生存期間が単剤療法と比較して延長することを示した。この結果はT-ALLの薬剤抵抗性が、エピジェネティックな変化に関係する調節因子を標的とする薬剤によって克服されることがあることを示唆するものである。
doi: 10.1038/ng.2913
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