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【古生物学】古代のトカゲにサメの尾に似た構造

Nature Communications

2013年9月11日

Palaeontology: Ancient lizards tell a shark’s tail

ヨルダン中央部で見つかった白亜紀後期のモササウルス(大型のトカゲ類の一種)の化石から水かきのついた尾の存在が判明し、モササウルスがサメのように泳いでいたことが示唆されている。

モササウルス類は、約9800~6600万年前に優占していた海生爬虫類だ。モササウルス類の祖先については、相対立する学説が存在し、それに加えて、化石記録の中に軟組織の証拠がなく、モササウルスのボディープラン(体制)に関する記述と推定が誤っていたために、モササウルスの泳ぎは遅かったという仮説が広まっていた。今回、Lindgrenたちは、極めて良好な状態で保存された軟組織を含む化石標本を解析して、クジラ類と魚竜類(イルカ類に似た海生爬虫類)の尾鰭に似た三日月状の尾鰭を同定した。

Lindgrenたちは、このモササウルスの化石の形態を現生サメ類と比較して、モササウルスが効率よく泳いでいたという結論に達した。今回の研究では、この特徴的な尾が、同じような環境で生息していた数種類の分類群の動物においてそれぞれ独立に進化していたことも示唆されている。

doi: 10.1038/ncomms3423

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