注目の論文
エイズの遺伝子治療
Nature Medicine
2009年2月16日
Gene therapy for AIDS
HIV感染患者に対する遺伝子治療の、初めての臨床試験の報告が寄せられている。
エイズの治療法として、遺伝子治療は魅力的な選択肢である。1回だけの処置でウイルス量を減らし、免疫系を維持し、生涯にわたる抗レトロウイルス療法を行わなくてすむ可能性があるからである。R Mitsuyasuたちは、成人のHIV感染者74人を対象にした遺伝子導入の初めての臨床試験として、二重盲検法によるランダム化プラセボ対照比較試験を行った。
患者は、OZ1とよばれる分子をもつ血液幹細胞か、プラセボの投与を受けた。OZ1はHIVの2種類の重要なタンパク質を標的としてウイルスの複製を抑える分子で、今回の試験の過程では副作用は全くみられず、安全だった。47週、48週では、OZ1投与群とプラセボ投与群の間でウイルス量に統計的な差異はみられなかったが、CD4+リンパ球(HIVが著しく減少させる細胞集団)の数は、100週の時点でOZ1投与群のほうが高かった。
この研究は、HIV感染者に対する遺伝子治療が安全で効果があり、一般的なエイズ治療法としての開発が可能なことを示している。
doi: 10.1038/nm.1932
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