注目の論文
ならず者菌を破壊の道へ
Nature Immunology
2009年10月12日
Routing rogue bacteria for destruction
宿主の防御機構の目を逃れた細菌を探し出して抑え込む役割を担うタンパク質が見つかった。このタンパク質は、いくつかの非常に強い病原菌の除去にかかわっているらしい。
サルモネラ(さまざまな種があって、ヒトの腸チフスや胃腸炎などの原因となる)などの有害細菌は、宿主細胞中で普通は孤立した区画に引きこもっているが、たまにこの区画から逃げ出して、宿主細胞の領分へと侵入する。しかし、理由はわかっていないが、この「逃亡菌」は逃亡後に、宿主タンパク質ユビキチンによって被覆されることが多い。
F Randowたちは、宿主タンパク質NDP52がこのユビキチン被覆細菌に結合することを明らかにした。宿主の領分へと侵入した菌を退治するにはこのNDP52が必要で、これが、宿主の防御タンパク質を呼び寄せることにより、菌のオートファジー(貪食作用の一種)が促進されるらしい。NDP52が対処する病原菌がどのくらいの種類に上るのかを詳しく明らかにするには、さらに研究が必要である。
doi: 10.1038/ni.1800
注目の論文
-
6月25日
ゲノミクス:古代 DNA がカルパチア盆地の多様なコミュニティー組織を明らかにするNature Communications
-
6月24日
化学:細菌がプラスチック廃棄物を鎮痛剤に変換Nature Chemistry
-
6月19日
人類の進化:アフリカからの移動に先立つ、人間の生息域の大幅な拡大Nature
-
6月19日
気候変動:気候変動が作物生産に与える影響を評価するNature
-
6月19日
動物行動学:蛾の航行は星空に導かれているNature
-
6月17日
都市:人工光が都市部の生育期を延長させているNature Cities