注目の論文
網膜色素変性症における錐体の飢餓性衰弱
Nature Neuroscience
2008年12月8日
Cone starvation in retinitis pigmentosa
網膜色素変性症(RP)という疾患では、進行性に視力が失われる。これは錐体細胞が栄養不足による飢餓に陥り、自身を分解するのが原因であると、Nature Neuroscience(電子版)に報告される。この結果は、RPの今後の治療標的になりうるものである。
錐体は明所での視覚にかかわる光感知細胞で、桿体細胞は暗所でものを見るのに役立つ。錐体はRPに関連する遺伝子の変異には影響されないが、発症すると不可解にも進行性に失われる。C CepkoらはRPモデルマウスを利用し、錐体の細胞死が生じる原因は、桿体細胞がRPに関連する遺伝子変異の影響で欠失することによる栄養欠乏であることを発見した。これにより飢餓に陥った錐体は自身の細胞成分の分解を引き起こし、結果として錐体そのものが失われることになる。この過程にはインスリン経路が重要であることも同定された。あるRPモデルマウスでは、インスリンの全身投与によって錐体の生存に改善がみられた。
RPに関連する遺伝子変異は数種類あるが、錐体の喪失はこの病気に共通した症状である。したがって、この研究で示された治療標的はRPのさまざまな症例の治療に利用できそうに思える。
doi: 10.1038/nn.2234
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