【疾患】ハイチでのコレラ管理
Scientific Reports
2013年1月10日
Disease: Cholera control in Haiti
ハイチにおけるコレラの伝播の動態とワクチン接種率を調べるモデル研究について報告する論文が、今週掲載される。今回の研究では、46%のワクチン接種率を達成すれば、ハイチでのコレラ管理に十分なことが示唆されており、この結果が、ワクチン接種などのコレラ管理介入法の計画と評価に役立つ可能性がある。 2010年10月、ハイチでは、数十年間で初めてのコレラの症例が報告された。コレラは、首都ポルトープランス北方の農村地帯アルティボニット地方で最初に出現し、その後、国内全土に蔓延した。今回、Z Mukandavireたちは、1つの数理モデルを用いて、ハイチでのコレラ流行の規模を定量化し、ワクチン接種率の推測を行った。この数理モデルは、もともと2008~2009年のジンバブエでのコレラ流行のために作製されたものだった。ここで、Mukandavireたちは、ハイチでの基本再生産数(感染期間中に1つの症例からの感染によって発生する症例数)を計算した。その結果得られた基本再生産数の推定値は、ハイチの地域によって1.06から2.63の幅があり、2008~2009年のジンバブエでのコレラ流行について得られた推定値に近く、当初のハイチでのコレラ流行の地理的差異、そして、それに対応して、効果的なコレラ管理のために必要なワクチン接種率の差異が明らかになった。ハイチ国内のレベルでいえば、コレラ伝播を抑制するために十分なレベルまで基本再生産数を減らすためには46%のワクチン接種率を・・・・垢譴仆淑・覆海箸・・藍諱鈔癘蜥・ぢたちは報告している。
今回の結果は、コレラ伝播を永久的に減らすことのできるワクチン接種やそのほかの介入方法が、ハイチでの長期的なコレラ管理に大きな影響を与えられる可能性を示している。
doi: 10.1038/srep00997
注目の論文
-
6月25日
ゲノミクス:古代 DNA がカルパチア盆地の多様なコミュニティー組織を明らかにするNature Communications
-
6月24日
化学:細菌がプラスチック廃棄物を鎮痛剤に変換Nature Chemistry
-
6月19日
人類の進化:アフリカからの移動に先立つ、人間の生息域の大幅な拡大Nature
-
6月19日
気候変動:気候変動が作物生産に与える影響を評価するNature
-
6月19日
動物行動学:蛾の航行は星空に導かれているNature
-
6月17日
都市:人工光が都市部の生育期を延長させているNature Cities