注目の論文
【細胞生物学】心不全の治療法に新たな手がかり
Nature Communications
2012年9月26日
Cell biology: Arresting cardiac disease
ある特定のマイクロRNAファミリーが、マウスの心不全を引き起こす心肥大を誘導するために必要十分であることが明らかになった。この新知見は、マイクロRNAを介した心臓の発生と心血管系の安定性の調節に関する新たな手がかりといえる。この研究成果を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。
心不全などの心疾患は、ヒトの主要な死亡原因の一つであるが、現在の心不全の治療法はあまり成果を上げていない。マイクロRNAは、心臓やその他の多くの体内器官の数多くの発生過程と生理過程に関与していることが知られている。今回、T Thumたちは、マイクロRNAの発現研究を行い、マイクロRNA 212/132ファミリーがマウスの心臓細胞の肥大において重要な役割を果たすことを明らかにした。そして、これらのマイクロRNAのうちの一つに対する特異的阻害剤をマウスに静脈内注射する実験では、心肥大と心不全の予防効果が明らかになった。
Thumたちは、この新知見について、心肥大と心不全の新しい治療法につながる見通しを持っている。
doi: 10.1038/ncomms2090
注目の論文
-
8月14日
健康科学:都市設計は身体活動に影響を与えるNature
-
8月12日
がん:膵臓がんまたは大腸がんの患者において有望な効果を示すワクチンNature Medicine
-
8月12日
生態学:熱波が熱帯の鳥類の個体数減少と関連しているNature Ecology & Evolution
-
8月8日
考古学:スペインの洞窟で新石器時代の人肉食の証拠が発見されるScientific Reports
-
8月7日
人類の進化:スラウェシ島における初期ホミニンの居住Nature
-
8月7日
生態学:タコの観察がソフトロボットの設計に新たな着想を与えるかもしれないNature