注目の論文
【行動】フェロモンを手がかりに餌を探すガの幼虫
Nature Communications
2012年9月5日
Behaviour: Hungry caterpillars follow pheromones
ガやチョウの成体は、配偶者を引き寄せるときに匂いを利用するが、幼虫もこれと同じ匂いのついた食物に引き寄せられることがわかった。今回の研究では、通常の食物と性フェロモンの混ざった食物を選べる状況下で、幼虫は、フェロモン入りの食物を選ぶことが明らかになった。これは意外な発見と言える。性的に未熟な幼虫は、ガやチョウの成体が放出する性フェロモンには応答しないと考えられていたからだ。この結果を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。
E Jacquin-Jolyたちは、ワタやタバコの葉など多彩な植物を餌とするヤガ科スポドプテラ属Spodoptera littoralisの幼虫で、こうした観察結果を得た。この幼虫は、雌雄を問わず、雌フェロモンに引き寄せられており、このことは、幼虫がフェロモンのシグナルを性フェロモンとして使っていないことを示している。Jacquin-Jolyたちは、幼虫が、自然界で食物を見つけるための便法として、この匂いを利用している可能性があると考えている。ガの成体には、適切な植物を効果的に見つけ出せるような複雑度の高い嗅覚系が備わっているからだ。
doi: 10.1038/ncomms2050
注目の論文
-
4月25日
創薬:脳オルガノイドを使って神経発達障害の治療法を検証するNature
-
4月25日
医学:実験室で培養された「ミニ結腸」をがん研究に用いるNature
-
4月24日
遺伝学:鳥の歌のリズムを調べるNature Communications
-
4月23日
心理学:画像の特徴は時間の経過の感じ方に影響を及ぼす可能性があるNature Human Behaviour
-
4月19日
古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だったScientific Reports
-
4月18日
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature