注目の論文
雄のコビトカバは自分の精子を変えて雌争いの種を減らす
Nature Communications
2012年2月29日
Male pygmy hippos modify their sperm to reduce competition
飼育下のコビトカバ集団の雄は、精子中のX染色体とY染色体の比率を調節して、雌の子孫の比率を高める能力を持っており、これが、この集団内での雌獲得競争を緩和する一つの手段となっている可能性がある、とした研究結果が明らかになった。その詳細を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。 動物の子孫の出生時性比は50-50と予想されているが、この比率を変える能力を持つ動物集団の存在を示す証拠がある。今回、J Saragustyたちは、飼育されている絶滅危惧種のコビトカバ(Choeropsis liberiensis)の集団を調べて、雌が多いことを発見した。新たに生まれた子孫のうち、雄は、全体の約42%に過ぎなかった。これまでに報告された出生時性比の変化の大部分は、雌による選択が原因だと考えられていたが、今回の研究結果は、この集団の雄が、その精子における性比を能動的に変化させる手段を持っていることを示唆している。コビトカバの雄にとって、こうすることには、将来的な交尾相手をめぐる争いを減らせる利点がある、とする見解をSaragustyたちは示している。
doi: 10.1038/ncomms1700
注目の論文
-
10月16日
古生物学:アルゼンチンの恐竜たちはどのようにして首を長く伸ばしたのかNature
-
10月16日
古生物学:初期のホミニンの手を解明するNature
-
10月10日
動物の行動:犬はおもちゃにすっかり夢中Scientific Reports
-
10月8日
材料科学:通常のプラスチックと同等の強度を持つ生分解性の竹プラスチックNature Communications
-
10月3日
動物の行動:ネグレクトされた子犬は成犬になるとより攻撃的で恐怖心が強くなるScientific Reports
-
10月2日
遺伝学:自閉スペクトラム症の遺伝的に異なる形態Nature