注目の論文
風向きでマラリア伝播地域を突き止める
Nature Communications
2012年2月15日
Using wind direction to spot malaria transmission sites
マラリアを媒介するハマダラカの繁殖地の中でも、マラリア多発地域に近接し、その風下側にある繁殖地を狙い撃ちすることでマラリアの伝播を阻止できる可能性が浮上した。マラリア伝播を持続させるマラリア多発地域は、空間的疫学研究によって同定されており、したがって、こうした多発地域を狙い撃ちすることは、有効なマラリア防除法となる。しかし、幼虫の繁殖地の探索には多大な労力が必要となることがある。今回の研究は、幼虫の繁殖地の風上側の地域の方がマラリア原虫感染のリスクが高いと予測することで、繁殖地の捜索範囲を絞り込むうえで役立っている。詳細を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。 今回、J Midegaたちは、ケニアのキリフィ地区で、ハマダラカ幼虫の繁殖地の空間的位置と農村部の子どもたちにおけるマラリア発生との関連を調べた。幼虫の繁殖地に最も近い世帯は、マラリアのリスクが高いことが知られている。Midegaたちは、雌のハマダラカが産卵後にヒト宿主を探して風上に向かって飛翔することを発見し、マラリア多発地域に近く、その風下側にあるマラリア媒介性ハマダラカ幼虫の繁殖地を狙い撃ちすることでマラリア防除の効果を高められる可能性があると結論づけた。
doi: 10.1038/ncomms1672
注目の論文
-
4月19日
古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だったScientific Reports
-
4月18日
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature
-
4月18日
生物学:闘争・逃走系の起源Nature
-
4月17日
材料:接着剤が海洋性軟体動物種の追跡に役立つNature Communications
-
4月16日
気候変動:海洋での致死的な極端低温事象の強度と頻度が高まっているNature Climate Change
-
4月16日
医学研究:一部の患者では、抗体がパーキンソン病の運動機能症状の進行を遅らせる可能性があるNature Medicine