動物の行動:犬のテレビを視聴する習慣は性格によって異なる
Scientific Reports
2025年7月18日
Animal behaviour: Dog TV viewing habits vary by personality
家庭で飼われている犬がテレビに夢中になるのは、その犬の性格によるかもしれないことを報告する論文が、オープンアクセスジャーナルScientific Reports に掲載される。興奮しやすい犬は、画面の中のものを追いかけ、恐怖心や不安感の強い犬は、車やドアベルなどの刺激に反応する傾向があり、調査対象の犬は、平均14分8秒間テレビを見ていた。
近年、犬専用のテレビ番組が増えており、犬がさまざまなメディアに接する頻度は増えている。しかし、飼い犬がどのようにテレビと関わっているのか、集団レベルでの系統的な評価はこれまでなされていない。
Lane Montgomeryら(オーバーン大学〔米国〕)は、650人の犬の飼い主を匿名で募集し、飼い主からの回答に基づいて犬の視聴習慣を観察するための新しいテレビ視聴尺度を構築した。453頭の最終サンプルの年齢は、2ヶ月から16歳であった。300頭の犬は、アメリカンケネルクラブ(AKC:American Kennel Club)で認められている犬種であり、153頭はミックス犬またはAKCのグループ分けで正式に代表されていない犬種であった。この調査では、飼い主が犬にテレビを見ることを教えようとしたかどうか、飼い主がテレビをつけている1週間の平均時間数、および犬がテレビに注目している平均秒数など、犬のテレビ視聴習慣の傾向を調査した。犬は動物的刺激、非動物的刺激に対する反応、および画面上の物体を追う程度について評価された。
全体的に、犬は他の刺激よりも画面上の動物を見たときに反応しやすく、約45%の犬(合計206頭)が吠え声や遠吠えなどの犬の鳴き声に常に反応していることがわかった。飼い主から興奮しやすいと報告された犬は、画面上の物体をあたかも現実に存在するかのように追いかける頻度が高いことが観察された。しかし、恐怖心や不安感の強い犬は、車のクラクションやドアベルのような動物以外の刺激に反応する傾向が強かった。このような気質の違いは、テレビに対する問題行動を改善するためのトレーニングの方法に役立つかもしれない。
著者らは、調査対象がテレビ刺激に定期的に接する犬を飼っている飼い主であるため、この調査結果がすべての犬を代表するものではないかもしれないことに注意を促している。しかし、テレビとの関わりは犬に豊かで有意義な経験を与える可能性があると結論づけている。
- Article
- Open access
- Published: 17 July 2025
Montgomery, L.I., Krichbaum, S. & Katz, J.S. Characterizing TV viewing habits in companion dogs. Sci Rep 15, 20274 (2025). https://doi.org/10.1038/s41598-025-06580-y
doi: 10.1038/s41598-025-06580-y
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