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COVID-19:自己報告された転帰に基づいてCOVID-19の遺伝的感受性を解明

Nature Genetics

2022年4月12日

COVID-19: Identifying genetic susceptibility to COVID-19 based on self-reported outcomes

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対して防御効果を与え得る遺伝的関連を捉えた、3つの新たな表現型が定義された(表現型とは、観察可能な個人の特徴すなわち形質のこと)。この知見は、DNA検査会社の米国での顧客(70万人以上)による、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の転帰の自己報告を分析して得られたもので、このようなデータの収集方法によって、COVID-19の臨床試験、特に比較的軽い症状の症例に関する臨床試験を補完できることが示唆された。

遺伝的関連解析は、特定の身体的転帰または形質の背景にある遺伝子や生物学的経路の特定に役立ち得る。これまでのCOVID-19に対する感受性に関する大規模な遺伝学的研究は、入院を伴う重症化症例に着目していた。しかし、大半のSARS-CoV-2感染症は重症化しない。また、重症化については、数多くの臨床的リスク因子(年齢、BMI、性別など)が知られているが、これらのリスク因子だけでは、転帰の差異を十分には説明できない。

今回、Kristin Randたちは、DNA検査会社の米国内の顧客(73万6723人、年齢中央値57歳、女性67%)から回収したCOVID-19の転帰に関する質問票を分析した。Randたちは、これらの遺伝的データと質問票調査データを用いて、以前に研究対象となった重症化リスクに関連する表現型(4種類)を解析した。また、Randたちは、家庭内でのSARS-CoV-2への曝露後の感染リスクと重症化に対して防御的効果を持つ表現型(3種類)を新たに定義した。この新しく特定された表現型が関連する領域は、COVID-19のリスクを低下させる効果に関与しており、治療介入の有用な標的となる可能性がある。

今回の研究は、DTC(消費者直販)遺伝子検査の大規模な質問票調査に基づく解析が、入院患者集団を対象とした従来型の研究を補完できることを実証するものである。Randたちは、今後、この手法を他の疾患にも適用できるかもしれないと考えている。

doi: 10.1038/s41588-022-01042-x

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