【神経科学】社会的ジェットラグは学業成績の低下と関連している
Scientific Reports
2018年3月30日
Neuroscience: Social jetlag associated with decreased academic performance
社会的ジェットラグ(時差ぼけ)とは、体内時計とその人が生活し労働する環境との間にずれが生じることで、学業成績にマイナスの影響を及ぼすことがあり、特に自然覚醒時刻よりも早く起床しなければならない受講スケジュールになっている学生に顕著な影響を生じることを報告する論文が、今週掲載される。
社会的ジェットラグは、より頻繁に起こるようになってきており、疾患の発症リスクだけでなく、学習障害と注意欠如に関連し、特に早起きが苦手な人に顕著に見られるとされてきた。しかし、大規模な人間集団の学習成果に対する社会的ジェットラグの影響を評価したり、最も影響を受けやすい人を同定したりする方法はなかった。
今回、Benjamin SmarrとAaron Schirmerは、ある大学の学習管理システムの2年分のログインデータを用いて、1万4894人の学生の日常活動のプロファイルを作成した。その結果、体内時計が受講スケジュールと自然に同期している学生は全体のわずか40.4%で、講義のない日と比べて講義がある日(活動が早く始まる日)に体内時計より前倒しで活動しなければならない学生が49.2%、体内時計より遅らせて活動しなければならない学生が10.4%であることが明らかになった。こうした活動の前倒しと遅れの結果、全学生の60%が日常的に30分以上の社会的ジェットラグを経験していた。この影響に伴い、講義のない日に活動の前倒しや遅れがあった学生の学業成績は低下しており、講義のない日に活動を遅らせた学生において特に顕著だった。
doi: 10.1038/s41598-018-23044-8
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