注目の論文
自閉症の遺伝的原因解明に向けたエキソーム配列解析
Nature Genetics
2011年5月16日
Exome sequencing for autism
自閉症スペクトラム障害(ASD)患者のエキソーム(ゲノムのタンパク質コード領域)の塩基配列解析が行われ、その結果が明らかになった。その内容を報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。
ASDには、自閉症やアスペルガー症候群など、軽症から重症までの発達障害が含まれている。
今回、E Eichlerらは、20組の非家族性ASD患者とその両親のエキソーム配列解析を行った。その結果、ASD患者において、両親からの遺伝によらないde novo変異が21個見つかった。またEichlerらは、4人のASD患者において、ASDの原因と考えられる変異を同定した。これらの変異のある遺伝子は、これまで知的障害に関係する遺伝子とされてきたが、ASDに関係する新たな候補遺伝子となる。こうした新知見は、de novo変異が、家族歴のないASDの遺伝的基盤に大いに寄与していることも示唆している。
doi: 10.1038/ng.835
注目の論文
-
7月16日
神経科学:老化と神経変性疾患のバイオマーカーを解明するNature Medicine
-
7月15日
健康:健康な高齢化における世界的な格差の要因の評価Nature Medicine
-
7月10日
ゲノミクス:タンパク質は古代のエナメル質に保存されているNature
-
7月10日
気候変動:クジラの糞が温暖化に関連する有毒藻類ブルームの大発生を記録するNature
-
7月8日
がん:1,100万人を超えると予測される胃がんの原因は細菌かもしれないNature Medicine
-
7月3日
ゲノミクス:古代DNAがエジプト人の祖先の謎を解明するNature