注目の論文
【遺伝】韓国人のゲノム配列が解読される
Nature
2016年10月6日
Genetics: Genome of a Korean individual sequenced
1人の韓国人のゲノム配列の組み立てが行われたことを報告する論文が、今週掲載される。これまでにマッピングされたゲノムの中で最も連続性が高く、集団特異的なゲノム参照配列として遺伝科学者全体にとって重要なデータといえる。
ヒトゲノムの解読は過去にも行われているが、塩基配列の完全解読にはほど遠く、集団によって塩基配列に違いが見られる。また、ゲノムには解読しやすい部分と解読しにくい部分があるため、ゲノム配列の解読結果には欠落部分があった。今回、Jeong-Sun Seoたちは、最近開発されたゲノム配列解読技術とゲノムアセンブリ技術(一分子リアルタイム配列解読法と次世代マッピングなど)を併用して、これまでより欠落部分が少ない高分解能のゲノム参照配列を生成した。
過去に数多くの人々のゲノムが解読されているが、ヨーロッパ系以外の人々のゲノムは著しく少なかった。今回の研究によってもたらされたゲノム配列は、韓国人集団やアジア人集団全般に特有の塩基配列部分が科学研究によって同定される可能性を生み出している。こうした情報は、社会が精密医療(precision medicine; 患者の遺伝的特性を合わせた医療)の時代に進めるように手助けする可能性がある。
doi: 10.1038/nature20098
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