注目の論文
【化石】南極で発見された最古の鳥類の発声器官の化石
Nature
2016年10月13日
Fossils: Antarctica yields oldest bird vocal organ
鳥類の発声器は鳴管と呼ばれるが、その最古の化石について記述されたJulia Clarkeたちの論文が、今週のオンライン版に掲載される。およそ6600~6800万年前に生息していた絶滅鳥類(Vegavis iaai)の標本の化石が南極で発見され、鳴管が恐竜時代に進化したことが確認されたのだ。
鳴管の化石は、かなり最近の岩石層から孤立した化石が数個見つかっているが、その化石記録は、これまで空白状態が続いていた。
このClarkeたちの論文では、南極大陸のヴェガ島で発掘されたVegavisの部分的な骨格化石から新たに発見された鳴管の化石について説明されている。Clarkeたちは、X線コンピューター断層撮影を使って、鳴管の三次元構造を調べて、より最近の地層から見つかった化石と12羽の現生鳥類と比較して、この複雑な鳴管の進化を再構築した。Clarkeたちは、鳴管の保存されている構造とVegavisの進化系統樹上の位置が、ガンの鳴き声やその他の単純な鳴き声を発する能力と一致しているという観察結果を明らかにしている。
鳴管が化石化することが分かったわけだが、これ以外の恐竜類の鳴管の化石がなぜ見つからないのかは分かっていない。しかし、Clarkeたちは、複雑な鳴管が鳥類の進化の後期に出現した特徴であり、飛翔が出現した時期や呼吸器官の新機軸が出現した時期よりもかなり後のことだったという考えを提唱している。
doi: 10.1038/nature19852
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