注目の論文
【進化】島を伝ってオーストラリアを脱出した鳴き鳥
Nature Communications
2016年8月31日
Evolution: Songbirds island-hopped out of Australia
鳴禽類種の大規模な多様化は、約2300万年前に始まり、数々の島が形成されてオーストラリアを脱出する経路ができたことに関連していたことを報告する論文が、今週、掲載される。これまでの研究からは、鳴禽類が洋上数千キロメートルを分散してオーストラリアを脱出したことが示唆されていた。
鳴禽類(oscine passerines)は、世界中に約5,000種が分布しており、その祖先がオーストラリアに生息していたことが分かっているが、鳴禽類種が多様化した時期とオーストラリアから分散した過程については学説の対立がある。
今回、Robert Moyleたちは、ゲノムデータと化石データと生物地理学データを組み合わせて、鳴禽類の種と地理的放散を再構築した。その結果分かったのは、鳴禽類の放散が起こった約2300万年前には、ウォレシア(オーストラリアとアジアをつなぐ島嶼群)でテクトニックな衝突と隆起が起こっていたことだった。この放散時期は、これまで考えられていたよりも最近のことになる。
今回の研究で得られた知見は、鳴禽類の進化史と生物地理学史を地史と整合させるものといえる。
doi: 10.1038/ncomms12709
注目の論文
-
9月17日
神経科学:妊娠に伴う脳の変化を調査するNature Neuroscience
-
9月17日
健康:孤独と疾病の関連性を再評価するNature Human Behaviour
-
9月12日
ゲノミクス:ラパ・ヌイの人口の歴史を再評価するNature
-
9月12日
動物学:偶然に発見されたハエに寄生する新種のハチNature
-
9月10日
発生生物学:マウスにおいて若い卵胞が老化した卵母細胞の発育を助けるかもしれないNature Aging
-
9月5日
免疫学:女性から男性への性別適合ホルモン治療における免疫適応Nature