注目の論文
自己に対する炎症反応の引き金
Nature Immunology
2009年12月28日
Triggering inflammation to self
アルツハイマー病や血管病のアテローム性動脈硬化にかかわるタンパク質が、どのような仕組みで認識されるかが判明した。
K Mooreたちは、微生物の特異的パターンの認識に関係することがこれまでにわかっている3種類の細胞表面タンパク質(TLR4、TLR6、 CD36)が、複合体を形成することを新たに発見した。CD36が、アテローム性動脈硬化関連タンパク質である酸化型LDL(oxLDL)とアルツハイマー病に関連するβ-アミロイドペプチドを認識し、TLR4とTLR6を認識過程へと動員する。免疫細胞でこの3分子複合体によって発生したシグナルが、この2つの病気の発症にかかわる炎症誘発性メディエーターの生産を引き起こす。
アテローム性動脈硬化とアルツハイマー病で、炎症の誘発と維持に関係する共通の分子経路が同定されたことが、両方の病気に有効な治療法の開発に結びつくかもしれない。
doi: 10.1038/ni.1836
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