Press release

Nature Publishing Index Global Top 50 発表 ― アジアからは5つの機関がランクイン

2011年3月23日

ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)は本日、2010年に Nature および Nature 姉妹誌に掲載された一次研究論文の数に基づいて作成されたランキング「Nature Publishing Index Global Top 50」を発表しました。世界の上位50研究機関をまとめたこのランキングには、アジアの研究機関(日本4、中国1)も含まれています。

アジア太平洋地域でナンバーワンの東京大学は世界ランキングの第6位で、理化学研究所(第23位)、京都大学(第25位)、中国科学院(第32位)、大阪大学(第33位)が続いています。「Nature Publishing Index Global Top 50 はデジタル・サイエンス社(マクミラン・パブリッシャーズ社の姉妹部門)との共同事業であり、本日ベータ版ウェブサイト(www.natureasia.com/en/publishing-index/global/)を公開しました。

「Nature Publishing Index Global Top 50 のベータ版公開と同時に、昨年に続いて、アジア太平洋地域の国と地域の研究機関のランキングをまとめた「Nature Asia-Pacific 2010 Publishing Index」が発表されました*。アジア太平洋地域のトップ5は、2009年と同じく日本、中国、オーストラリア、韓国、シンガポールの順ですが、中国とシンガポールでは、NatureおよびNature姉妹誌に掲載された一次研究論文の数が前年比で大幅に増加しています。

本日発表された「Nature Publishing Index - Asia Pacific」 (www.natureasia.com/en/publishing-index/asia-pacific/)は、アジア太平洋地域のランキングを大局的にとらえています。このランキングは毎週更新され、常に直近12か月のデータを見ることができます。このインデックスでは、2010年の結果を国別に詳細に分析しており、アジア太平洋地域のトップ200研究機関のリストも掲載されています。

「これは、このインデックスにおさめられたデータをさまざまな方法で解釈し、検索するうえでの出発点にすぎません。弊社は、今後のフィードバックを大いに歓迎するとともに、このインデックスが、ユーザーの皆様のフィードバックにダイナミックに対応できる存在になってほしいと考えています」。こう話すのは、NPGのアジア・オーストラレーシア担当マネージングディレクターの David Swinbanks です。

このインデックスの結果の利用に関しては、若干の注意点があります。このインデックスは、Nature および Nature 姉妹誌(16誌)のみを対象にしているため、生命科学、物理科学、化学の基礎研究を幅広くカバーする反面、応用科学、工学、臨床医学は、それほどカバーできていません。したがって、質の高い基礎研究に関する各研究機関の強みを示す指標として主に利用されることを推奨します。このインデックスには、その他の質の高いジャーナルに掲載された論文が組み込まれていません。また、このインデックスは、複数の特定のジャーナルに掲載された論文数という単一の要素しか考慮に入れていません。上海交通大学高等教育研究所による世界大学ランキング(Shanghai Academic Ranking of World Universities)やタイムズ・ハイヤー・エデュケーション世界大学ランキング(Times Higher Education World University Rankings)のように、複数の要素を重みづけしていません。

論文生産数は、明らかに研究機関や国の規模に依存しています。また、一部の研究機関には、大勢の研究者が所属しており、それがランキングでの順位アップに役立っています。したがって、このインデックスの結果を解釈する際には、研究機関や国に所属する研究者の数を考慮に入れることが大事です。

「現代の科学研究組織は、従来の部署制のほかに、専門研究機関、共同研究機関、系列機関やその他の種類の構造を含む場合があるため、1つの組織の境界を決めることが難しい課題となることがあります。しかし、私たちは、組織の複雑性を肯定的な徴候ととらえ、各研究組織では、科学分野や組織風土の異なる研究者が共同研究を行うための最適な環境について柔軟に考えているのだと理解しています」。デジタル・サイエンス社の科学的評価指標部長 Caitlin Trasande 氏は、こう説明しています。研究機関の定義方法や測定方法についてお気づきの点がございましたら、institutes@digital-science.com までフィードバックをお送りください。

Links:
Nature Publishing Index
Nature Publishing Index Global Top 50 (BETA)
Nature Publishing Index - Asia-Pacific
Nature Publishing Index 2010 - Asia Pacific (PDF)

*「Nature Publishing Index 2010 - Asia Pacific」は2011年3月11日東北地方太平洋沖地震が発生する前に完成したため、震災による影響については触れていないことをご留意ください。被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。そして、日本の優れた科学技術力が、これからの復興において大きな役割を果たすものと強く確信しております。

※本プレスリリースの原本は英語であり、日本語は参考翻訳です。
英語プレスリリース

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