Press release

Pediatric Researchは2012年からネイチャー・パブリッシング・グループが発行

2011年3月1日

ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)は本日、International Pediatric Research Foundation(IPRF)と出版提携を結び、2012年1月からPediatric Researchの発行を開始することを発表しました。

Pediatric Research(1967年創刊)はIPRFが所有する論文誌で、American Pediatric Society、European Society for Paediatric Research、およびSociety for Pediatric Researchの公式機関誌です。分子生物学から疫学までの幅広い分野を対象とし、小児の疾患や発達障害の原因に関する原著研究論文や総説論文、解説記 事などを掲載しています。このほかにも、発生生物学や医学研究にかかわるモデル生物やin vitro技術の利用、およびトランスレーショナル研究に関する論文も扱っています。同誌のインパクトファクターは2.607(2009年)で、2009 Journal Citation Report(トムソン・ロイターズ社、2010年)では小児科学分野でトップ20にランクインしています。

編集長(Editor in Chief)は、タフツ医療センター・フローティング小児病院(米国マサチューセッツ州ボストン)のOlaf Dammann小児科学・公衆衛生学研究教授(MD)、副編集長(Associate Editor in Chief)は、INSERM(フランス)のリサーチディレクターPierre Gressens(MD)が務め、国際的な編集委員会が、両氏とマネジングエディターのSusan Tsujimotoをサポートしています。

Dammann編集長は次のように話しています。「この新展開に興奮を感じており、NPGと協力して仕事をするチャンスに心が躍ります。最高品質の研究論 文を出版することに強い責任感をもっている点で、NPGは私たちと全く同じです。非常に生産的で、実りの多い協力関係になることを期待しています」。

NPGとIPRFの出版契約の一環として、Pediatric Researchは、印刷版およびオンライン版のデザインを一新し、装いを 新たにします。また2012年1月からは、オープンアクセスによる論文掲載を開始します。これにより、論文著者はオープンアクセスでの論文出版を選択でき るようになりますが、その際にはArticle Processing Charge(APC)が発生します。サイトライセンスと個人定期購読は、2012年1月からNPGで取り扱いが始まり、ジャーナル本体と1967年以降 のアーカイブは、nature.comで利用できるようになります。

NPGのパブリッシャーKathleen Lyonsは、「定評あるPediatric Researchが弊社のラインアップに加わることを歓迎します。編集スタッフや各学会との密接な連携を通じて、Pediatric Researchを この分野の一流の論文誌として発展させ、知名度を高め、臨床研究と基礎研究の読者に対する訴求力を高めていきたいと考えています」と話しています。 またNPGのアソシエートディレクターMartin Delahuntyは、「IPRFが、NPGによる発行を選んだことをうれしく思っています。これによって、IPRFは、高度な編集知識とホスティングを はじめとするNPGの数々の強みを利用でき、小児科学コミュニティーの内外でPediatric Researchのプレゼンスを高めることができると思います」と話しています。

さらに、IPRFの理事会を代表して、Frederick J. Suchy会長とWilliam W. Hay Jr.事務局長兼会計役は、次のようにコメントしています。「IPRFは、生物医学ジャーナル界でイノベーションが知られるNPGと提携することで、Pediatric Researchの優秀さを保ちながら、これまでよりも幅広く流通させ、科学的な評価を高められる可能性を喜ばしく感じます」。

著作権や編集委員会の委員任命権など当初の編集権は、IPRFが保持し、Pediatric Researchの刊行目的と対象範囲にも変更はありません。

NPGは、2011年を通じて、現在の発行会社Wolters Kluwer Health / Lippincott Williams & WilkinsとPediatric Researchの移行作業を進めます。

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Links:
Pediatric Research Journal

International Pediatric Research Foundationについて

International Pediatric Research Foundation(IPRF)の構成メンバーは、American Pediatric Society(APS)、Society for Pediatric Research(SPR)とEuropean Society for Paediatric Research(ESPR)という3つの独立した学会で、それぞれ独自の使命をもっています。

American Pediatric Societyは1888年に創立され、1961年に米国ニューヨーク州で法人化されました。この学会の目的は、規約に定められているように、子どもと小 児疾患の研究の進展、疾患の予防、子どもの健康増進、小児科学の教育と研究の振興のために人々を結集し、小児科学に対する貢献により小児科学の発展に力を 尽くした人々に栄誉を授けることにあります。その会員になることは、米国の小児科学研究のリーダーであることを意味しています。

Society for Pediatric Researchは1929年に創立され、1963年に法人化されました。この学会の主たる目的は、多くの若手研究者が子どもの役に立つ研究を行えるよう に環境を整備することです。そのために、意見交換の場を設定し、若手研究者が研究を発表する機会を創出しています。

European Society for Paediatric Research(ESPR)は、ヨーロッパで最も歴史の長い学会の1つで、1953年に創立されました。この学会は、ヨーロッパでの小児科学の研究と大 学院教育の振興を目的とし、小児科学のさまざまな専門分野間での協力体制の整備をめざしており、統一性と科学的方向性を有する研究分野としての小児科学の 持続、発展を目標としています。

ネイチャー・パブリッシング・グループについて

ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)は、インパクトの高い科学・医学情報を印刷版およびオンライン版で提供する出版社で、生命科学、物理科 学、化学、応用科学と臨床医学にわたって、ジャーナルの発行、オンライン・データベースや各種サービスの提供を行っています。

Nature(1869年創刊)は、トップクラスの国際的科学ジャーナル(週刊)で、科学者のニーズに集中的に取り組んでいます。NPGは、この読者層に向けて、各種Natureリ サーチ誌やNature Reviewsシリーズのジャーナル、そしてさまざまなアカデミックジャーナル(学会機関誌を含む)を発行しています。さらにインターネット上では、 nature.comで、月間500万人以上の利用者が、NPGの刊行物やオンライン・データベース、各種サービスにアクセスしています。こうしたコンテ ンツの例としては、Nature NewsNatureJobsNature Network、Nature EducationのScitable.comなどが挙げられます。

Scientific Americanは、NPGが新設した消費者メディア事業部門の中心となり、広く一般のニーズに応えています。1845年に創刊されたScientific Americanは、米国で継続的に発行されている雑誌としては最も歴史が長く、一般読者向けメディアにおいて権威のある一流の科学刊行物です。全世界16か国語で発行されており、scientificamerican.comと合わせて、300万人以上の読者がいます。このほかにScientific American MindSpektrum der Wissenschaft(ドイツ)も発行しています。

NPGは、全事業を通じて、科学コミュニティーと医学コミュニティー、そして科学に関心をもつ一般市民のために力を尽くしています。NPGは、 Macmillan Publishers Limitedの一翼を担うグローバル企業で、ロンドン、ニューヨーク、東京に主たる事業所を置き、このほかにも、ボストン、ブエノスアイレス、カイロ、 デリー、ムンバイ、香港、マドリード、バルセロナ、ミュンヘン、ハイデルベルク、ベージングストーク(英国)、メルボルン、パリ、サンフランシスコ、ソウ ル、ワシントンDCなど全世界の都市に支社・事業所があります。詳しい情報は、www.nature.comをご覧ください。

※本プレスリリースの原本は英語であり、日本語は参考翻訳です。
英語プレスリリース

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