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地球に酸素を供給した超大陸

Nature Geoscience

2008年7月28日

Supercontinents drove the oxygenation of Earth

地球の大陸が加わったことが地球への酸素供給を駆動する要因となった可能性がある、とNature Geoscience(電子版)に発表された研究が報告している。パンゲアなどの超大陸の形成は、地球の初期状態にほとんど存在しなかったところから現在の20%の状態まで、大気中の酸素レベルの上昇に直接的効果をもっていた可能性がある。

I CampbellとC Allenは地球史全体を通じて大気中酸素を復元し、超大陸の形成と比較したところ、大気中の酸素濃度は6回の大きな増加を経ており、それぞれ超大陸の融合と一致していることを発見した。研究チームは、個々の大陸が衝突したときに大きな山脈が形成されたと示唆している。このような超山脈は浸食されて栄養素を海洋に放出し、酸素を生成する植物プランクトンとバクテリアの成長を加速した。その後に山脈から海洋に運ばれた有機炭素が堆積層に埋設されたことで、大気中の酸素レベルは抑制されることなく上昇した。

超大陸が完全に浸食されたときに増加した酸素の生産は止まったが、大気中の高い酸素レベルは維持されたのである。

doi: 10.1038/ngeo259

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