注目の論文
進化するプランクトン
Nature Climate Change
2014年9月15日
Evolving plankton

世界的に重要な植物プランクトンである円石藻のEmiliania huxleyiは、進化によって海洋環境の変化に適応できることを報告した論文が、今週のオンライン版に掲載される。この結果は、植物プランクトンのニッチは、これまで考えられていたよりも進化的な適応性が高い可能性を示している。
Emiliania huxleyiは、二酸化炭素を貯蔵することによって全球炭素循環で重要な役割を果たしている。今回、Thorsten Reuschたちは、海洋の温度の上昇とpHの低下(海洋酸性化)に対する適応を調べることによって、Emiliania huxleyiの長期的な進化の研究を行った。この植物プランクトンを、3種類の溶存二酸化炭素濃度と2種類の温度(15℃または26.3℃)で試験した。その結果、この細胞は水温の上昇に応答した進化によって1年で小さくなり、1細胞当たりの炭素含有量が減少することが分かった。しかし、高温に適応した細胞ではバイオマス生産量が高く、有機炭素は52%、無機炭素は101%増加した。
植物プランクトンの適応性から、気候変動がこれらに及ぼす影響の予測では、進化の過程を考慮する必要があることが明らかになった。
doi: 10.1038/nclimate2379
注目の論文
-
1月26日
農業:海鳥グアノが紀元1000年以降のアタカマ砂漠でのロバストな農業を促進したNature Plants
-
1月22日
古生物学:古代の海底に巨大な海生蠕形動物が定住していたことが示す巣穴の化石Scientific Reports
-
1月21日
気候変動:湖沼熱波は21世紀末まで勢いを増す可能性が高いNature
-
1月15日
環境:海草藻場が海洋プラスチックの除去を促進するかもしれないScientific Reports
-
1月15日
惑星科学:水星の収縮の規模はこれまでの推定より小さいのかもしれないCommunications Earth&Environment
-
1月13日
環境:北極域にはポリエステル繊維が広く分布しているNature Communications