注目の論文
古代の炭素輸送
Nature Geoscience
2014年4月14日
Ancient carbon export
5600万年前の全球温暖期に過剰に放出された炭素は海洋の生物活動が強化されたことで大気から取り除かれた可能性があると、今週のオンライン版に発表された論文が報告している。海洋表面から深部への炭素輸送が強化されたことで、二酸化炭素を大気から取り除き、気候を寒冷化する一助となったかもしれない。
Adina Paytanたちは、全球から得られた海洋堆積物を用いて、5600万年前の暁新世~始新世温度極大期の間に海洋表層から取り除かれた炭素の量を見積もった。彼らは海洋中層での炭素の吸収と輸送は温暖化が極大に達した時期に増加したことを見つけた。Paytonたちは、当時の海洋表層水と中層水中での微生物活動の増加により、海洋有機炭素がすぐには消費できない形の化合物へと分解されたと論じている。もしそうならば、炭素は何万年間にもわたり海洋中層水に捕獲され続けたことになる。Paytanたちは、継続した炭素の消費と貯蔵が二酸化炭素を大気から取り除き、惑星をより寒冷な状態へと戻す一助となったと結論づけている。
doi: 10.1038/ngeo2139
注目の論文
-
12月17日
遺伝学:古代アンデス人は失われたラクダ科動物の系統を狩猟し、飼育していたNature Communications
-
12月16日
気候変動:氷河の消失は21世紀半ばにピークに達すると予測されるNature Climate Change
-
12月12日
海洋生態学:シャチはイルカを追跡してサケを狩るScientific Reports
-
12月11日
考古学:意図的な火起こしの初期の証拠Nature
-
12月10日
考古学:ローマの建築技術に関する明確な証拠Nature Communications
-
12月9日
Nature's 10:2025年の科学に影響を与えた10人Nature
