注目の論文
制限を受けない火星の生命
Nature Geoscience
2013年9月2日
Life on Mars without limits
生命に必須の主要成分であるリン酸は、初期火星の生命が存在可能な環境では初期地球よりも豊富に存在していた可能性があるとの論文が、今週オンライン版に掲載される。
地球の最も初期の生命体に取り込まれたリン酸は鉱物由来に違いないが、地球表面でリン酸を含む鉱物は非常にゆっくりと溶解する。その結果、水成環境においてリン酸の利用可能性は限定的であったと考えられ、地球で生命が発現するための障害となったと考えられる。
実験室環境でChristopher Adcockらは、火星で最も普通に見られると考えられるリン酸を含む鉱物の溶解度を測定した。彼らは、これらの鉱物の溶解度は、地球で最も普通に見られる鉱物よりもはるかに高く、従ってより多くのリン酸を水に放出することを見つけた。
関連するNews & Viewsの記事で、Matthew Pasekは「火星にこれまで生命が存在していたかはよく分かっていないし、仮に存在したとしてもすぐに利用可能なリン酸を必要としたかも分からないが、(火星の)生命にはその点ではあまり障害は無かったかもしれない」と書いている。
doi: 10.1038/ngeo1923
注目の論文
-
8月19日
化学:市販のマグネットが宇宙での酸素生産を促進するかもしれないNature Chemistry
-
8月14日
工学:太陽光が宇宙近傍で超小型航空機の飛行を可能にするNature
-
8月14日
健康科学:都市設計は身体活動に影響を与えるNature
-
8月12日
生態学:熱波が熱帯の鳥類の個体数減少と関連しているNature Ecology & Evolution
-
8月8日
気候変動:ペリト・モレノ氷河の後退が最近大幅に加速Communications Earth & Environment
-
8月8日
考古学:スペインの洞窟で新石器時代の人肉食の証拠が発見されるScientific Reports
