注目の論文
地震が引き起こした火山の沈降
Nature Geoscience
2013年7月1日
Quake-induced volcano subsidence
最近チリと日本で起きた地震は、チリとアルゼンチンおよび日本の海岸線と平行な陸上の火山を沈降させたいう見解を示す論文が、今週オンライン版に掲載される。2つの地震の位置が似ていることからこのような現象は広く見られる可能性があることを示唆している。
二つの関連していない研究で、高田陽一郎(たかだ・よういちろう)と福島洋(ふくしま・よう)およびMatthew Pritchardらは人工衛星データを用いて、それぞれ日本の2011年マグニチュード9.0の東北地震とチリの2010年マグニチュード8.8のマウレ地震により生じた地球表面の変形を解析した。二つの地震に引き続いて、破壊した断層の近くの火山が最大15cm沈降した。日本における沈降はおそらく火山下のマグマだまりと高温で強度の弱い岩石の沈降により生じたが、チリにおける沈降はおそらく火山の下からの熱水流体の放出により生じた。
関連するNews & Viewsの記事でSigrujon Jonsonは「何が火山の沈降をもたらしたかについて意見の一致は見られていないが、この注目すべき観測は大地震が火山地帯に大きな変化をもたらし、火山災害に影響をもたらした可能性があることを強調している」と述べている。
doi: 10.1038/ngeo1857
doi:10.1038/ngeo1855
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