注目の論文
沈み込む炭素
Nature Geoscience
2009年8月31日
Sinking carbon
大気から取り除かれて海洋に蓄積された二酸化炭素の量は、一部は海洋有機炭素吸収源の深さに依存しているとの報告が寄せられている。
植物プランクトンなどの海洋生物は、成長するにつれて海洋表層からCO2を吸収する。死んだときには、植物プランクトンは沈んで有機炭素を深層水へと運び、そこで再びCO2へと鉱化する。
全球海洋生物化学モデルを用いてE Y Kwonらは、有機炭素がCO2へと再鉱化する深さが増加するにつれて、底層水へ注入されるCO2量も増加することを示した。全体としては大気へ逃げていくCO2量が減少するので、大気中のCO2濃度が減少することになる。
再鉱化する深さは、温度、酸素濃度、生物群集の構成など気候に敏感な多くの要因により影響を受けるので、地球が温暖化するにつれて変化する可能性があり、大気中のCO2濃度に重要な結果をもたらすことになる。
doi: 10.1038/ngeo612
注目の論文
-
10月21日
気候変動:米国の都市における肉の消費がもたらすカーボンコストNature Climate Change
-
10月15日
惑星科学:火星における氷と炎の物語Nature Communications
-
10月8日
材料科学:通常のプラスチックと同等の強度を持つ生分解性の竹プラスチックNature Communications
-
10月7日
材料:海洋から回収した炭素を生分解性プラスチックに変換Nature Catalysis
-
10月1日
考古学:岩絵は古代アラビア砂漠で繁栄する人類を描いているNature Communications
-
9月26日
生態学:世界大戦時の沈没残骸が野生生物の生息地となっているCommunications Earth & Environment