注目の論文
地震を起こす
Nature Geoscience
2008年5月26日
To set off an earthquake
巨大地震は、地質学的状況にかかわらず世界中で遠地の小地震の引き金になりうる、とNature Geoscience(電子版)に発表される研究が報告している。この研究によれば、地震波の表面波が通過することによる地球の地殻の変形が引き金となって地震が発生する現象は一般的で広くみられるものなのだという。
T Parsonsらは、全球および地域的な地震カタログを解析し、引き金となって起きたと考えられる小地震を同定した。1990年以降に起きた15個の巨大地震のうち12個は、世界中で小地震を誘発させた表面波を生成したことを発見した。例えば、2004年12月のスマトラ-アンダマン諸島超巨大地震は、はるか遠くアラスカ、カリフォルニア、エクアドルで小地震を引き起こしたのである。
この研究は、これまではほとんど関心を払われなかった、世界中で誘発された地震を同定している。この現象が観測されているテクトニクス的状況及び誘発を起こした地震波が多岐にわたっていることは、多くの異なった物理メカニズムが関係していることを示唆している。
doi: 10.1038/ngeo204
注目の論文
-
11月13日
気候変動:ムンバイにおける異常降雨に関連した不均衡な死亡率Nature
-
11月7日
考古学:デジタル地図によりローマ帝国の道路網が10万キロメートル増えるScientific Data
-
11月5日
気候:極端な強風がタービンの限界を超えて動かす可能性があるNature Communications
-
11月4日
地球科学:南極氷河の急速な後退Nature Geoscience
-
10月30日
惑星科学:圧力下で水の世界が形成されるかもしれないNature
-
10月30日
気候変動:南極の棚氷が海洋温暖化によって脅威にさらされているNature
