注目の論文
氷期に増加した南極の水銀沈着量
Nature Geoscience
2009年6月15日
Enhanced polar mercury deposition during glacial intervals
大気中から南極の氷床表面に沈着した水銀の量は、氷期の最も寒冷な時期のほうが、温暖な時期よりもはるかに多かった、とNature Geoscience(電子版)に発表される研究が示している。このことは、極域が、現在と同様に、大気水銀の重要なシンクの1つだったことを示唆している。
P Gabrielliらは、最新の解析手法を用いて、EPICA(南極における欧州合同氷床コア掘削計画)ドームC氷床コアから得られた氷の水銀濃度を測定した。この解析結果は、過去67万年間をカバーしており、水銀濃度が最も高かったのは、最も寒冷な時期とダストの最も多い時期だった。Gabrielliらは、温度が低いと、ダスト、大気中の海塩粒子と大気水銀の反応が活発化し、水銀が表層雪に運ばれる、とする見方を示している。
doi: 10.1038/ngeo549
注目の論文
-
12月10日
Nature's 10:2024年の科学に影響を与えた10人Nature
-
12月5日
気候:GenCastは既存の気象予報を凌駕するNature
-
11月28日
古生物学:糞便の科学捜査が恐竜の台頭を記録するNature
-
11月21日
天文学:近くの恒星を周回する若いトランジット惑星が発見されるNature
-
11月21日
気候:20世紀の海水温を再考するNature
-
11月20日
生態学:リュウキュウアオイが太陽光を共有するNature Communications